株式会社エアロ・フォト・センター

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相模川における水部・河床測定(グリーンレーザ・シングルビーム)の試行

2024年9月に実施したドローン搭載型グリーンレーザー(Yellowscan Navigator)およびシングルビームソナーによる測定の解析結果を一部紹介します。(結果は出ていたのですが、、記事の公開が遅くなったことはお察しください)

【Navigator 計測点群の動画】

計測点群の紹介動画です。

※設定→画質:1080HDにてご覧ください

1.計測点群

グリーンレーザ(YellowscanNavigator)導入直後に相模川の中流域でテスト計測を行いました。(2024年9月)

水部のみでなく、陸部も併せて計測をしています。

同日にほぼ同範囲をレッドレーザ(YellowscanVx20-300)でも計測をしています。

 

測定した相模川の点群。GreenとRedでの比較です。

【YS Vx20-300 (+SonyZv-E10) 】

【YS Navigator】 (計測軌跡入り)

Vxの方がビームスポット径が小さい為か、シャキッと見えます。

色付け用のカメラの性能もあるかと思います。

拡大すると

Vx

Navigator

やはりVxの方がくっきり地物の形状がわかります。

 

水部はどうなっているかというと

水面ほかを非表示にしてみます。グリーンレーザから

Navigator】グラウンド+河床クラス

Navigator】河床のみ

きちんと河床の地形が取れています。

こちらのエリアは濁度計では「1.5」(正直、かなりきれいです)

 

一方、レッド

Vx】グラウンド

Vxは当たり前ですが、水部では光が減衰or反射してしまい河床の地形は取得できていません。

 

2. 濁度の確認

濁度の話が出ましたので、全体の濁度を確認します。

(前項で拡大していたのは図の中央上部あたりです。)

水道水の濁度を「0.0」としてキャリブレーション。

水面付近で採水をし、気泡・浮遊物が落ち着くのを待ってから濁度計で計測しています。

半年ほど各現場で計測をした、”感覚”で言うと、

濁度~5.0までは目視で「綺麗」と思うレベルです。

透視度で言うと深度1m以下であったことは無い値です。

(弊社の透視度計は1mまでしか確認できません。。。)

それ以上になると徐々に濁っていることが目視でも確認できてきます。 

3. 断面図で深度の確認

断面1(支流・溜まり)

前項で点群確認をしたエリアです。濁度は「1.5

断面で見ると水面と河床がよくわかります。

深いところで約1.7mの深度です。

 

断面1(本流)

断面1の本流側です。濁度は「13.0

水面の点群取得は出来ており、河床と思しき点群も確認できます。

深度は0.4mほど。

 

断面2

断面1に直行する方向の断面です。左上流→右下流となります。

濁度は計測できた川岸付近で「4.7~4.8」ただし、河川中央は濁りが見えていました。

上流部の深度1.173m付近は河床の点のバラつきが小さく、信頼度は高そうです。

ただし、下流に向かうにつれてバラつきが大きくなり、河床点とノイズの判断が難しくなっています。

4. シングルビームソナーとの比較

シングルビームソナーとNavigatorによる測定結果を比較しました。

上記の断面2については実はシングルビームソナーの測線を切ったものでした。(水色の点がシングルビームの計測点です。)

概ねZ方向のずれは無いように見えますが、全体的な傾向としてシングルの方が下に来ています。(大きいところで0.08mほど)

これは計測中の船体が水流や波の影響で傾いた分の誤差だと思われます。

河川管理の河道形状計測の許容範囲が0.3mということで、セーフかとは思います。

[河川管理用三次元データ活用マニュアル(案) 国土交通省 令和2年2月] 

まとめ

本件証では、グリーンレーザとシングルビームソナーのそれぞれの特性を活かし、水部・河床の測定を行いました。

グリーンレーザは濁りの影響や、レーザ照射角、水部の屈折補正値など様々な要因が絡み合って結果が出てきます。

少しでも取れ高を上げる為に、最適なサイドラップの計算など計測コースの検討や、計測時期、タイミングの見極めなど考えていくことが多そうです。

今回は結果の一部紹介になりました。また機会があれば追記していきます。

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